2023年を振り返るから一年経ちました。多少環境に変化があったり、多少自分の成長を感じることもありますが、このままでいいものかと考えるようなときもあります。
2023年は言葉を濁していましたが、2024年は新規システムの開発リーダーの経験を積みました。半年前とは、マネジメントというかリーダーというか、そういった部分に関する成長があったように感じます。言葉としての知識ではなく経験としての知識であるため、うまく言語化はできていないのですが。
TypeScript
本年も変わらず仕事では99.9%利用していました。新しくチームに参画してくれた方がすごく抽象化のうまい方で、言語以外の部分を改めて学ばないとなと感じる最近です。
先ほど記載したように開発リーダーとしてプロジェクトにアサインされたので、1からシステムを作りました。Next.jsのApp Routerを採用しましたが、すぐにシステム作るならめちゃめちゃ便利ですね。APIがほぼ不要なので(Server Actionでたいてい事足りる)RPCよりRPCしている気がします。
良かった本
今年は去年よりも本を読んだ気がします。去年の段階でベッドの左に積まれていた本は、3列でそれぞれ80cmぐらい積まれています。引っ越ししたら本棚買おうと思うんだけどね。
今年読んだ本で良かったものを紹介します。今年発売というワケではないのであしからず。また、順番も特に意味はありません。緩やかに購入順、という感じです。
プロダクトマネジメントのすべて
プロダクトマネジメントのすべては文字通りプロダクトマネジメントに関する本です。社内の知り合いがプロダクトマネジメントをやることになったのもあり、Amazonのおすすめに並んでいた時に買いました。
ここに記載しているのに、別にハチャメチャにおすすめというわけではないです。本の章とか項とかの単位で前後の文脈がなくて、読んでいるときはすごく歴史の教科書を読んでいる気分になりました。
ただ教科書というのは結構当てはまるように感じていて、この一冊にかなり多くの知識が凝縮されています。名前の通り「すべて」を俯瞰的に見るときにはかなり良いのではないか、と感じました。
個人的にはこの本でハンロンのカミソリという言葉を知りました。似たような言葉にオッカムの剃刀があります。余談でした。
世界一流エンジニアの思考法
世界一流エンジニアの思考法は大ヒットしていますよね。正直一年前に読んだので細かい点は覚えていないですが、コミュニケーションに関してとくにこの本を読んでから意識するようになったのを覚えています。
マイクロソフトでクラウドの開発をしている筆者が、周りにいる世界一流エンジニアの方々の考え方などをまとめた本で、生産性という観点で非常に多くの学びがある本です。
個人的には定期的に読むタイプの本です。
測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?
測りすぎ――なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?はタイトル通りですが、計測しすぎることに対する警鐘を鳴らす本です。以前グッドハートの法則に関して記載しましたが、これの具体例のようなものが非常に多く書かれています。医療や学校、警察などで誤った指標を評価に利用してしまった結果、本来の目的を見失ってしまうという話が多く書かれています。
個人的には社内LTでこの話題で発表したこともあり(この本を読む前に)、非常に共感できる内容でした。かなりおすすめです。
世界で一番やさしい会議の教科書
世界で一番やさしい会議の教科書は会議についての本です。2年目の社員が徐々に会議を良くしていくストーリー仕立ての本です。
ストーリー仕立てとはいえど重要な点はしっかりと解説があり、全編通してめちゃめちゃ良かったです。続編が2つありますが、それを買ってしまったほどに。
度々Twitterでこの本の話題が上がっていますが、まさに全人類が読むべき本、クラス。
解像度を上げる・エンジニアが知っておきたい思考の整理術
解像度を上げるは、一般的に?言われる「解像度をあげる」という言葉を深堀りしたものです。物事を「深さ」「広さ」「時間」「構造」という4つの視点で考えることで、そのことに対する「解像度を上げる」ということを目指す本です。
個人的には、とくに構造化というのは非常に苦手な分野で、まずそこに課題があることを認識できた点が非常に良かったです。そして、下記の文が非常に印象的で、なんというか、絶望感すら覚えました。
何も考えずに作っても構造は必然的に生まれてしまう物だからこそ、効果的な構造を作り上げるためには意識的な努力が必要
そして構造化のためになにか勉強しようと思って、本屋で適当に手に取った本がこれです。著者が別途作成しているロジック図解・情報整理術実践講座というサイトに同様なことが書いてあるので、そちらも参考になります。まさに物事をどう構造化するかというところが書かれていた本で、とくにCS・GPSという考え方は初めて知りました。
理科系の作文技術・まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書・悪文の構造
解像度を上げるの本紹介で記載したように、構造化が苦手であることを認識しました。構造化について勉強するのもよいですが、構造化の結果は大概文章にまとめることが多いです。そのため、論理的な文章を記載する技術を学ぶことで構造化の知識もつくのではと考えました。
理科系の作文技術やまったく新しいアカデミック・ライティングの教科書は論文についての書き方の本です。とくに後者の「まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書」は論文を書いたことない私にとっては本当に衝撃的というか、すごく勉強になった本です。論文というものがなんなのか、そしてパラグラフ・文、論文の構造、それぞれの役割などが非常にわかりやすく書かれています。
悪文の構造は名前の通り、何故その文章が悪いのかを解説する本です。いわゆる本勝本と呼ばれる日本語の作文技術と少し似たような本のイメージです。日本語の作文技術は言葉の修飾について非常に詳しく書かれている(それ以外も書いているけど、インパクトがある)、悪文の構造は「文の組み立て方」に終始一貫しているイメージを感じました。接続語や助詞・助動詞などから、もう少し大きなくくりまで。あとがきにも記載されている文と同じ話だが、より大きな文章の構造というくくりは書かれていない。それでも本としての満足度は高かったです。「日本語実用の面」から引用されている雨についての文章が最後の方にあるのですが、その文章がすごく良いと感じられるようになったのが印象的でした。
アブダクション
アブダクションは今年読んだ本の中で圧倒的にベストだと感じています。
パースが提唱した、演繹・帰納に続く第三の論理学的推論法「アブダクション」について書かれています。アブダクションとは、観察された現象を説明するために、最も適切な仮説を選択する推論法です。この本は、アブダクションの概念を理解するために必要な知識を、非常にわかりやすく説明しています。
パース自身が哲学者、そして筆者の米盛裕二氏も同様に哲学の造詣が深い方であるため、若干哲学っぽい話もありますが、何度も具体例などを繰り返し、私のような哲学に興味があっても足も浸かれない弱者にも非常にわかりやすく理解できる内容です。
エンジニアの世界で非常に、非常に役立つ内容だと感じました。様々な記事で解説もあるので本以外でも学べると思いますが、この考えは色々活かせると思うのでぜひ知ってもらうと良いと感じました。
断絶の時代
断絶の時代はドラッガーの本です。社会において、「知識労働の出現・メインストリームへの昇華」「グローバル化」「政府の役割などの変化」について書かれている…と思っています。ちょっと私にはまとめるには難解でしたが、非常に読み応えがあって5時間ほどぶっ通しで読んでいました。本文では見逃したのか書いていなかったのかなかったように感じますが、この断絶の時代は2025年まで続くそうです。もうすぐ終わりですね。
キーボード
今年初めて40%キーボード(ファンクションキーと数字キーがないキーボード)を買いました。というのも、トラックパッド付きの自作キーボードieneko42cというのがあり、自作キーボードでトラックパッドとな、となり購入したのがきっかけです。いざ使い始めてみるとトラックパッドよりも40%キーボード自体に惚れ込んでしまいました。
そんでもって、torabo-tsuki(M)とkeyball 44を購入しました。やっぱ親指トラックボールは最高だね。
色々買おうかなと思いましたが、キーボードを置くスペースもなく別に気分でキーボードを変えるタイプの人間でもなく、この2つに落ち着いています。流石にQAZキーボード(CtrlとかEnterとかの列もない奴)は無理だと思っているけど、昔は40%キーボードも無理とか言ってたのでどうでしょうかね…。
ゲーム
土日は散歩狂となり、3時間ほど歩いてサウナにいったり、3時間ほどあるいてカフェで本を読んだりしているので、相対的にゲームがあんまりできていないです。が、今年もそこそこやったので軽く紹介します。
- シクスターゲートスタートレイル
- ジャンルは音ゲー
- 去年に引き続きはちゃめちゃにやった。やっぱ俺は音ゲーが好きだ
- Staffer Case:超能力推理アドベンチャー
- ジャンルは謎解きADV
- タイトルが中華製パチモン感があるので忌避していたが、おすすめしていたツイートがあったので購入してみた
- 感想としては毎日アップデートして欲しい、それぐらい面白かった
- そろそろ(重大なネタバレ以外)記憶が消えた頃なので、もう1回やりたい
- ちなみにスピンオフのStaffer Rebornも面白いので上記が面白かったらやると良い。ゲーム性はぜんぜん違う
- Uncover the Smoking Gun
- ジャンルは推理アドベンチャー
- 特徴としては、登場するキャラクターは皆ロボットなのだが、そのロボットとは自由入力で会話できる。AIと会話するイメージだ
- ここに来てファミコン以前のアドベンチャーゲームの先祖返りしているが、自由入力の分自分で考える感じが面白い
- Inverted Angelというゲームも同様に裏側に埋め込みAIがいるが、Uncover the Smoking Gunほど自由入力での会話という感じはしない。といってもInverted Angelも非常に面白い
- 星間工業国
- 1つだけ言うが、完全におすすめするわけではない
- ジャンルとしては自動化ゲーだが、自動化ゲーにしてはUIがあまりにも不親切すぎる
- ただ、単純に徐々に増える数字が好きだったので、放置しまくった結果1,000時間を超えた。ので記載した
何十本かやったけど、圧倒的おすすめみたいなのは少なかったのでこれぐらいに留めます。
このブログについて
このブログももうそろそろ4年が経ち、5年目となります。今回からブログについてもちょっと振り返ろうかなと。
ブログの名前
もともと「園児ニアの庭園」と寒い名前でやっていましたが、2年前にブログの改善とともにタイトルを修正しました。「言葉の向こうに世界を見る」。一応名前に若干意味は込められています。
以前はQiitaに記載するのも何か抵抗があったので(このブログを作ったときにはZennはなかった)自分がとりあえずアウトプットできる場所を作ろうと思い、このブログを作りました。もちろん情報のアウトプットとは他人から評価される方が良いというのは一般論としてありますが、とりあえず気軽に書ける場所を用意したかったです。一方で完全プライベートというよりも、場合によっては他人からも見られるような場所としました。そして、シンプルに、当時はまだ転職前でWeb関連のプログラムは趣味でしかなかったので、趣味の一環というのもありますね。
そういったところで、か弱いエンジニアが自分の庭の庭弄りをしているように、どちらかといえば外部というよりも内部というイメージを込めて、庭園と名前をつけました。
読みやすいコードとテストコードは評価軸が違うという記事があります。2024年に書き直すほど愛着のある記事です。
この記事を読んでいて、言葉に残すことは将来に活きるなと感じました。ただアウトプットしているだけなのに、その結果を自分で反芻して新たな気づき、世界を少し感じることができる。そういう意味で「言葉の向こうに世界を見る」という名前に変更しました。
そこからは、調べた技術的な話はTILに残すとして、自分の考えなんかも記事に残そうとしたのが今年となります。ちょこちょこ技術的な記事も書いているんだけどね。
記事の振り返り
今年は記事が13本、TILが22本で合計35本投稿しています。記事自体は2020年の20本が最も多いのですが、TILという仕組みを作ったので少し投稿が膨れました。ただ、TILはもうちょい気軽に書きたいですね。来年はそうします。
また、1記事あたりの単語数・文字数も調べてみました。今年は平均単語数が3555単語、平均文字数が7034文字でした。単語数、文字数はIntl.Segmenterにお任せしています。
文字数が最も多いのはぶっちぎりで読みやすいテストコードのために心がけること ver 2024.です。コードの文字数は無視して24,000文字なので、うっすい本ぐらいの文量ですかね。
また、今年は書いてた記事を読んでいただき、Abema TVに出演させていただくこともできました。そんなこともあるんですね。書いててよかった連絡先。
最後に
藤川監督に期待。